時代で変わる結婚式の形

神の前で夫婦となることを約束する結婚式。高度成長期以降、キリスト教・神道・仏教、いずれかの神の前で永遠の愛を誓う式を挙げてホテルや式場の宴会場で披露宴を執り行うスタイルが一般的になりました。しかし近年、そんな親・祖父母世代が持っているイメージとは少し変わってきているようです。まず、2000年以降急速に「仲人」が存在しない結婚式が増加し首都圏では仲人なしで挙式するるカップルが多数派だと聞きます。

仲人はもともと、お見合い結婚が主流だった時代に縁談を纏める役割をする人の事を言いました。しかし恋愛結婚の増加に伴い仲人の役割は変わりました。新郎の上司夫妻などが従来の仲人同様に式に立会い、披露宴では新郎新婦と共に金屏風の前に座る形式的な存在となったわけです。そして上司・部下のプライベートな付き合いが減っている昨今、夫婦での参加が必至な仲人を上司に頼めるほど親密な関係ではなくなってきているのかもしれません。

さらにここ数年「結婚式自体を挙げない」カップルも増加中との事です。理由の一つは結婚式にお金と労力がかかり過ぎるということでしょう。結婚の意味が「家と家の結びつき」ではなく「二人で新しい家庭を作る」という核家族の意識が高まる中、何年に一度かしか会うことのない親戚を呼び寄せるために交通費を払うのはもったいなく感じられることも一因かもしれません。仕事面も終身雇用制が崩れてきている中、休日に仕事仲間に集まって祝ってもらう意味も薄らいで来ます。

晩婚で親の懐をあてにする年でもなければ、結婚式が本当に必要な物なのか真剣に取捨選択をした結果なのかもしれません。今も昔も結婚が人生の大きな節目であることに変わりはありません。新郎新婦がどんな門出を選んでも二人の幸せを祈って暖かく見守っていきたいですね。

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